鴻朧館
游月山荘

有馬温泉 月光園便り

有馬温泉 月光園よりお得な情報をお伝えします。

扇の要と、利休七則

さて、昨日のお茶の続きです。
最近の私はお茶を頂いて一度退室した後にあれこれと先生に聞いております。
昨日は同席の方がおり、私はいつものように座ったのですが、

「次客の席の方は、扇の要を下座にしましょうね。」

と先生が仰り、びっくりしました。

相変わらず『気になる事は何でも聞いてみましょう』の私。
お茶が終わって直ぐにひょこひょこ先生の下へ行き、

「何で次客からは要が下座なんですか?」

と質問しました。
正客というのは、お茶席のメインゲストだそうです。
その正客さんは要を床の方へ向けて座り、次客以降の方々は要を下座の方へ向けて座るそうです。

正客と次客以降の方は、お茶碗などのお道具を拝見するときも違いました。
お茶碗の銘などは裏に記されていますよね。
つまり、ひっくり返して見ると言う事です。

正客は右手が上に来るように返し、
次客以降は左手が上に来るように返して見ること。

理由をうかがって、私の脳みそが先生にお返しした理解レベルは

「全部“気遣い”なんですね!」

で、ございました。

「お茶は気遣いです。」

水屋にありますから、利休七則読んでいらっしゃい、と言われました。

茶は服のよきように(飲む時に丁度良い具合に)
炭は湯の沸くように(ちゃんと火が着くように前もって洗い・乾かし・置くこと)
夏は涼しく、冬は暖かに(涼や暖を感じるように支度をしておく事)
花は野にあるように(華道と茶花は違うので、楚々としたままで)
刻限は早めに(時間厳守)
降らずとも雨の用意(傘だけでなく、もしもの時を考えた用意)
相客に心せよ(お隣とだけの内輪話や政治・お金の話はしない事)

迎える側にも招かれる側にも適応される言葉は、一般常識でもある内容です。
ですが、調べたところ、利休さん曰く『それを全て完璧に行う事こそが難しい』

言うは易く行なうは難き・・耳が痛いお話です。
気遣う事は単純な行為でも、だからこそ忘れやすく、それ故に常に注意を払うこと。

・・・頑張ります。

平成19年12月20日(木)
有馬温泉月光園 岡本